本来四本ある足が三本しかないこの蛙は、もともと金貨を食べる妖怪だったのですが、蝦蟇(がま)仙人こと劉海(りゅうかい)仙人が、この三足の蛙を金貨で釣り上げたことにより、口からお金を出して貧しい人を助けるようになりました。それ以来、人々に大切にされ、「財運」を招く瑞獣として民間に行渡ったようです。
→蛙と劉海仙人
日本ではがま口といえば財布のことを指すが(がま口の財布の絵)、これも三脚金蟾から来ていると思われます。
「金蛙(かねかえる)」とか「無事蛙」
「かえる」の語源に関する説は各種ありますが、もっとも有力な説は、蛙の「帰巣本能」に基くというものです。ヒキガエルは産卵するために、生まれた池に帰るといわれているためで、「帰る」=「蛙」というわけです。
ヒキガエルの「ヒキ」は「引(く)」からきているというのが一般的です。引き付ける力は、客商売にとって「客を引く」縁起物と考えられるのも当然で、庭先に置いたりする蟇蛙の置物がポピュラーなのは、この辺りからくるものなのでしょう。